昭和23年()4月、志麻洪介は愛媛の松山高校()に入学し、寮生活を始めた。同室者はホルタン、()オンケル、アルル、丘頭の4人。間もなく洪介は県立高女の()マドンナ・房子に恋をした。夏休みが終わり、秋の文化祭の準備が始まった。洪介()た()ちは芝居「理髪師チッターライン」をやることになったが、肝心な恋人役のアガーテがおらず房()子に白羽の矢が立った。演出はオンケル、レオンハルト役は洪介が務めた。練習中()は恋()のさやあてなどもあったが、房子を囲んだ楽しいものだ()った。文化祭は成功の()うちに終わったが、オンケルも房子に()惚れ込み、洪介を通して気持ちを打()ち明けたが、受け入れられなかった。オンケルは失意のう()ちに寮を去った。昭和24年の春、洪介は九州大学に入学。博多で元気そ()うに演劇人を()志すオ()ン()ケルと再会。洪()介は松山に戻り、房子に別れの言葉と共に愛を告白するが、彼女は「長い間その言葉を待ってい()た」と答えた。しかし、二人は結ばれずそれぞれの人生を歩んだ。...
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